Jean-Baptiste Simeon Chardin
ジャン=バティスト・シメオン・シャルダン

ジャン=バティスト・シメオン・シャルダン 
「綴れ織りをする女」(l'Ouvriere en tapisserie)
1738年頃 板・油彩 18.0cmX15.5cm
ストックホルム国立美術館蔵

有名な巨匠、シャルダンです。一般的には静物画の画家として知られていますが人物を描いたものも何点かあります。

このとても小さい油彩画は、画題の通り綴れ織りの仕事をする女性像で、毛糸球の籠から青い毛糸球を取り出そうとしている姿を描いたもの。
頭にかぶった白いボンネットや前掛けフォルムの美しさはもちろん、テーブルの上の針刺しや長い物差し、腰から下がった鋏などの小道具がけっこう重要な構成要素になってます。

17世紀、アントワーヌ・ド・ラ・ロックがシャルダンに依頼したこの絵は、「素描する画学生」という小品と対をなしたものとなっていて、どちらも仕事に熱中する人物像を描いたものです。

「素描する画学生」の図版

「素描する画学生」のX線写真と「綴れ織りをする女」の図版

 

●・・・模写をするにあたって

中央公論社・世界の大画家19「シャルダン」を参考。画集の写真はかなり黄ばみが強かったので、この分を差し引いて色彩を考慮した。
実物は明るい部分のマティエールが非常に分厚く、いわゆるシャルダンの魅力である筆跡・絵具のかすれが見られる。絵具の物質感の強い絵画で、古典的な色彩感・画面構成がとても美しい。

■模写に使用した絵

・シルバー・ホワイト
・コバルト・ブルー
・イエロー・オーカー
・ライト・レッド
・ロー・アンバー
・バーンド・アンバー
・カドミウム・レッド
・カドミウム・イエロー
・アイボリー・ブラック

●支持体はラワンベニヤに白色地塗り