Lucas Cranach the Elder
ルーカス・クラナハ

ルーカス・クラナハ (父)
「風景の中のヴィーナス」(Venus in einer Landschaft)
1529年 板・油彩 37.9cmX24.6cm
パリ・ルーブル美術館蔵


ルーブル美術館所蔵のクラナハ作品の中でも有名な1枚です。クラナハのヴィーナス像は画家が60歳前後の最晩年のものがほとんどで、風景が細かく描き込まれているこの絵や黒い背景の様式的なヴィーナス像の小品が知られています。
当時はまだ生身の裸体画を描くことなど許されなかった時代背景を考えると、こういった神話などの形を借りてヌードを描くことは自然なことでした。

模写にあたっては、首飾りの装飾や薄く透けた布、背景の細かい描写など、画集等の図版では限界がありかなり妥協しました。それからヴィーナスを包むような暗い木々の背景も、参照した図版では潰れてしまっていたため満足のゆく仕上がりとはいい難いものになりました。恐らくここのメチエは暗色と緑色の細かい描写が施されていると思いますが、ルーブルのデータベースの画像を見るとかなり明るい色調になっています。実際には暗色で描写されていても、撮影時のストロボがその下地の明るい色調で反射した可能性もあります。とはいえやはり実物を見ないとわかりません
。でも多少背景が潰れていても、肌の質感や細かい髪の毛が際立ってくるのでそれはそれで効果的かなとも思います。

ルーブル美術館のサイトは、データベースの画像が額縁付なのでとてもいいです。
このヴィーナスの絵は茶系のシンプルで直線的なフレームに収まってます。

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