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伊藤 廉 |
■伊藤廉 「窓に倚る女」 1929年 油彩 92.3X73.4cm 伊藤 廉 (いとう れん)という画家の模写です。実物もほぼF30号に近い大きさ。 伊藤廉の絵はたっぷりの絵具を使った厚塗りの重厚な絵肌がとても触感的で、筆跡が独特のリズムとスピード感を提示してくれています。 模写にあたっては古い美術雑誌の切り抜きを元にしたのですが、印刷があまり良いものではなかったのでバックの暗部がつぶれてしまって実際のマティエールがわからない点が残念でした。こればかりは実物の絵を観てみるしかありません。(細かい描写の絵ではないので、恐らくは黒あるいは濃い褐色のほぼベタ塗りに近い色面だと思いますが。
) 古い絵の模写全般に言えると思いますが、経過年数とともに絵の表面が汚れたり、ニスの落ち着きとともに褐色がかってくるので、それなりの重み・渋みも増してきて雰囲気が出てきますが、厳密に言えば完成直後の色彩からはどんどん遠ざかってきているということにもなります。 *** 伊藤廉 1898年(明治31年)名古屋市に生まれる 画業の他に、東京芸術大学教授や愛知県立芸術大学教授として指導にあたり、教育者としていくつかの著書も残している。 1983年(昭和58年)没 |
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