Raffaello Sernesi
ラファエッロ・セルネージ

この油画はラファエッロ・セルネージというイタリア人画家の、屋根の日ざし」という小さな絵の模写です。
原題は「Tetti al sole (Roofs in the sun)」、1861年作。

高校生の頃に美術雑誌で目にして依頼、この小品に魅せられ続けています。
今は残念ながら画集等が入手困難です。セルネージの作品はいくつかはインターネットで見ることができますが、色の良いものが無く、解像度も低いので残念な状況。
模写をするにあたり、ネットの画像を参考にしましたが、絵具の色味や作風を考慮してだいたいの色彩で描きました。あとは油画の経験でカバー(笑)。オリジナルはローマ国立近代美術館にあります。いつかは見たいですね。

〜画家についてあまり知られていないのでちょっと解説を…。

ラファエッロ・セルネージ(Raffaello Sernesi)は1838年フィレンツェに生まれ、マッキア派の革新的な画家として短い生涯の中でわずかな風景画を残し、1866年第3次独立戦争の最中に、ガリバルディ部隊所属の兵士として祖国のために若干28歳の若さで亡くなりました。
そういえばヴィスコンティの映画「山猫」はこの時代を描いていたっけ・・・。

1959年頃からカフェ・ミケランジェロに屯するようになった若い画家たちのグループが、のちにマッキアイオーリ(マッキア派)と呼ばれるようになります。
彼らは対象から得た印象や感覚を、身近な風景などをモティーフに表現しました。
形体を単純な色面で捉え、光に対する新鮮な感覚を重視し、それまでのアカデミックな考え方を否定しました。
それらの方法論は、少し後のフランス印象派の先駆けといえると思います。


この絵はとても小さく、彼の絵の中でも非常に明快で単純された形体感をもっています。イタリアの乾いた強い日ざしが、ドライな色彩と強いコントラストで表現されています。
空に浮かぶ雲までもが単純化された形で表現されていますが、硬さがなく不思議と上手く画面に収まっています。
1961年、23歳の画家は何を思ってこの小さな油画を描いたのでしょうか。

色が最悪ですが、セルネージの17点の図版が掲載されています。>>>Raffaello Sernesi

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■模写に使用した絵具

・シルバー・ホワイト
・ビリジャン
・セルリアン・ブルー
・イエロー・オーカー
・ロー・アンバー
・バーンド・シェンナ
・カドミウム・レッド

●ラワンベニヤを支持体に、シルバー・ホワイトとチタニウムホワイトの混色で二層の地塗り